2005年12月09日

劇場感染記「ライフ・イズ・ミラクル」


僕個人の圧倒的支持を得て今年No.1映画が決まりました。






心底待ってたエミール・クストリッツアの最新作。
現実と寓話が畳み掛けるように迫ってくるステキすぎる一本。



この映画、実際に捕虜の女性と恋に落ちた男性の物語をヒントに作ったらしい。
戦時下だよね。
でも、1992年なんだよね。
この現実感は凄いよ。








今の日本人(=僕)には理解できる世界じゃないかもしれないけど絶望感が胸に突き刺さる。
強烈に。

それと対比するように登場人物たちは明るいのだけどそこにまた切なくさせられる。


戦争を起こす一部の人間達に対して自分達はどれだけ無力なのが悟った上での人生。
極限下において剥き出しにされる人間性。
動物としての本能の愛。

これらが自由奔放に描かれている。
ただ「高い」と形容するだけではかなり違和感のある「異様な」テンションをともなって。






人間の生きる力って凄い。



生命力。



この映画は人生における「奇蹟」を表向きのテーマとして描いているのだろうけどその根本に見出されるものは人間の生命力じゃないかと思う。


生まれた瞬間から死に向かう人間はその間逆の生に強く固執することによって自らの智を超えた奇蹟を起こすことができるのだ。
そう、思わずにいられない。


さらに



その生きようとする欲求は人間だけの特権であるはずもない。




であるからして、クストリッツアの映画には必ず「脇役」として動物が配置される。



同じだ、ということで。


劇中、セルビア人のルカ(主人公ね)とムスリム人のサバーハが互いに全ての理性を捨てて初めて愛し合うシーン。
彼ら二人は大地そのものの上で裸になって抱き合う。
ここがまさに象徴的なシーン。
人間も自然界におけるただ、単に一種の動物なのだというとてつもなく大きな俯瞰。



その一方、ストーリーの一つ一つバラバラになりそうな場面でのロバの存在感。
話をぎゅっとボルトで締め上げるように登場してくるその存在の大きさ。
奇蹟を成し遂げる手助けをするロバ!!
自殺願望を思いとどめたロバ!!





自然界にある全ての「愛」は偉大だ。
理由付けなんていらない。
生きうるためにただ「愛」が必要なのだから。
生きるための本能が「愛」という見えない概念を作り出す。
説明できる代物であるはずがない。





ヒトはそこに「奇蹟」を見る。






posted by はやし at 04:10| 熊本 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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