2005年05月12日

アーカイBS「ヤンヤン 夏の想い出」

やんやん.jpg


前回のイッセー尾形つながりで。
台湾が誇る名監督エドワード・ヤンの最高傑作(だと思う)。
淡々と描かれる日常が美しいまさに名作。
カンヌ映画祭では監督賞受賞。

ストーリーは

ヤンヤンは祖母や両親、姉のティンティンと台北に住んでいる、ごく普通の家庭の少年。ところが、叔父の結婚式を境に、様々な事件が起こり始める。祖母は脳卒中で昏睡状態となり、母は精神不安定となり新興宗教に走り、父は初恋の人と再会して心を揺らす。姉は隣家の少女のボーイフレンドと交際を始めてしまう。そして、ヤンヤンにも幼い恋心が芽生え始める……。

こんな感じ。

なぜだexclamation&question
とりたてて劇的な事件が起こるわけでもない、絶妙な展開を見せるわけでもない、この淡々と進む話にこれほどまでに心動かされるのは。

yan-02.jpg


少年は人物の背中の写真をとることに夢中になる。
まるで人間はその隠し持った本心をおもてには出さないと悟ったかのように、ある種、ニヒルでクールな感情のまま生きていくのを宣言するかのように。
しかし、その反面見せる歳相応の無邪気さ。
なんて絶妙なんだexclamation

姉は自分の感情を押えきれない。
もう、理性もモラルも関係ないとばかりに自分の世界を自分だけで作り上げるかのように。
静かな狂気。と言ったらちょっと言い過ぎ?

世の儚さを憂う母親はついには精神世界に逃げ込むように光を求める。
その滑稽さが哀しい。

父親。
家族を守って幾年月。
遠い昔に置いてきた感情を思い起こす。
そして一人の若者へと立ち返る。

これらは全て日常で起こりうる物語。

彼らは中流家庭。
今は思いっきり、上下の層に分かれてしまった感のある日本だけど、恐らくバブルがはじける以前は一億総中流家庭ではなかったろうか?
それを経てきた人間にとってこの物語はまさに自分の身のまわりで起こっていた話であります。
だから一つ一つのパーツが自分の中に染み込んでくるのです。

ア ワン アンド ア ツー。
物事は全て複雑ではない。
その一つ一つを目を凝らしてしっかと見よ。
そう、エドワード・ヤンが語りかけてくるようです。

障害は来る。
それを乗り越えるもその前に居座るも自分次第。
しかし、人生はやり直しがきかない。
だからこそ、この一つ一つの日常さえも美しい。

見終わった後、胸がジーンぴかぴか(新しい)
3時間弱の長さを感じなかったっす。

あ、忘れちゃいけない日本人ゲームプログラマー役のイッセー尾形ひらめき
渋いですよ、この映画の彼は。
資本主義経済を突っ走ってきてそのままグローバリズムを自然と身に付け、達観した男を体現。
主人公の父親が精神を彼に投げ出すのがなんとなく理解できるような懐の深さを見せてくれます。

・・・そうだ、こんな大人になろうexclamation

最後に監督自身のこの映画の紹介↓

映画監督が語る最高の言葉とは、映画の表面ではなく、多分内側に存在するもののはずだ。
この映画は人生における1+2と同じくらいに、とてもシンプルである。
私はこの映画を見終わった観客が、まるでただの友だちと一緒にいたかのような気分を味わっていて欲しいと思う。



A ONE AND A TWO YI YI  (2000)
上映時間 173 分
製作国 台湾/日本

監督・脚本: エドワード・ヤン
製作: 河井真也

出演: ジョナサン・チャン、ケリー・リー、イッセー尾形、ウー・ニエンジェン、エイレン・チン 

posted by はやし at 03:28| 熊本 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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